第2章 笑顔はきっと涙の後で
それはそうだろう
トーカちゃんは決して彼女のことを
嫌ってなどいなかった。
彼女、紗那はヒデのように
カンが鋭い子だった。
だからきっと僕らが喰種だと気づいていたし、
月山さんのことだって……、
だからこそ、トーカちゃんは戸惑っていた。
こんな自分たちをなんでこんなに
簡単に受け入れてるんだ、って。
無理もないよ
だって彼女はこんなにも
純粋で無垢で
綺麗な寝顔をするような子なんだから。
「紗那ちゃん、
このままでいいの?
月山さん、君のせいで笑顔なんてもんじゃないよ
ね、ぇ、僕達も寂しいよ」
「かね、きくん」
「私も、ほんとは…嫌いじゃないし
だからっ、だから
起きろよバカ!」
トーカちゃんは流さまいと涙をこらえながら叫んだ。
みんな、君を待ってる。
金木side~end~