第2章 笑顔はきっと涙の後で
金木side~
店長からの電話で
僕は走った。
トーカちゃんは行かなくていい
なんて強がってたけど
ほんとはすごく心配してるみたい
「月山さんはなにしてるんだ」
どうか、
月山さんのためにも
生きていて
そしてその笑顔をまた僕らに見せて
「月山さん!」
ガラリ……
「金木君……」
独特な匂いの部屋の扉を開ければ
顔色の悪い彼と
彼以上に顔色の悪い彼女が
ベッドに横たわって目を閉じていた
「月山、しっかりしなさいよ。」
トーカちゃんは
いつもとはまったくちがくて、
やっぱり目の前の状況に戸惑っていた。