第2章 笑顔はきっと涙の後で
「もう、大丈夫で、すよ
ほ、ら月山さんが、たお、してくれたから」
あぁ、紗那…
僕を、
僕の笑顔を見たいなら
「なか、ないで…すき、です」
僕の幸せを願ってくれているなら
「君こそ、泣いてるじゃないか」
泣かないでくれまいか?
笑ってくれ
「あ、れ…
はは、きっと最後に、月山さんに
あえた、から…」
血に濡れた僕の手を
彼女は戸惑うことなく拾い上げ、
自分の頬にあてる。
「私が……わらわ、せてあげたかった
わ、たし……」
「なにを言ってるんだい
死なせない
死なせるわけ、ないじゃないか」
君が……
好きなんだよ
「ふふっ、わらって、くれ…………た」
月山side~end~