第5章 私と彼…5 完結
私とかかわる訳として、今の話がそれの理由なのかただの及川の過去回想なのか私にはよくわからなかった。
それ以前に、及川の言った最後の『初恋』だとか『好き』だとかの方が私には重要だった。
「及川、お前、私をからかってるんじゃないよな?」
「当たり前じゃん。だとしたら、俺こんな状態じゃないよ」
私と繋がれている及川の手からかすかに鼓動と震えが感じとれた。
「…ね?」
「ん…」
及川のそれが感じとれているなら、私のそれらも及川は感じとっているだろうな。
どうしようもなく、私たちはその場で少し固まっていたがー
「ねぇ、柊ちゃん」
「…ん?」
私と及川は目線を交わらせる。
そしてーー
「…………お、俺と、付き合って、ください」
「!」
そう言う及川の表情は真っ赤になりながらも、真っ直ぐ私を見て言った。
だとしたら、もう他の言葉なんか私の中には無い。
「ーーはい。喜んで」
コイツに負けないくらいのハッキリな声で、
私は言った。
○月×日 午後7時37分体育館
ーここで、ようやくある生徒と生徒との新たな『縁』が結ばれたのだったー。