第1章 私と彼…1
私立青葉城西高校、ここではいつものごとく女子の黄色い声が聞こえている。
「キャー!及川さんだ!」
「ヤバイ、今日もカッコイイ!」
「及川さん!今日も部活頑張ってください!」
及川徹、この学校では最も女子にモテてる男子と言っても過言ではない。
見た目、頭の良さ、運動、バレー部の部長というポジションを兼ねそろえているからである。
しかし、この学校にはもう1人のイケメンがいたー。
とある電車の中でー
「…っ……」
そこでは、涙目になりながらもチカンに耐えてる女子高生がいた。
電車の中は人でいっぱいで彼女がチカンに合っていることを気付いてくれる人はいない。
ただ、1人を覗いてー
「おい。次の駅で降りろ。」
凛とした声を発した彼女は、中年男性の手を掴み言った。
「な、何を」
驚いた男はその手を振り解こうとする。しかし、中々に関節が思うように動かず無駄だった。
少女は続ける。
「別にどうすることではない。ただ少し駅員のところまでついて来てもらいたいだけだ。
あと、それからその手に持ってる携帯もそれまで預かるぞ。」
「は⁉︎なんでそんなこと…」
「別に中身を見ようとは考えていないさ。なんならずっと貴方の前で携帯を持ってもいい。」
少女は目を細める。
「…それとも、何か他人に取られたら不満になることでもあるのか?」
「ッ!」
そんな一連の流れの流れを受け、彼女は男を連れて歩く。
その後ろから先程の女子高生がそろそろとついていく。
駅員に言ったところ、やはりオトコはチカンを告げられた。
証拠は男の携帯に入ってた写真の中身。
結局、男は警察行きで少女と女子高生は事情聴取を受けた。
そして、それも終わった頃ーー
「あ、あのっ!」
「ん?」
被害者の女子が少女に話しかける。
「えと、つ、通報してくれて…ありがとうございました!
私だけじゃ、何もできなくて…」
俯きになった彼女に対し、少女はフワッと彼女の頭を優しく撫でた。
「いや、こっちこそありがとう。君が勇気を出して来てくれたからすぐに解決できた。」
怖かったね、と微笑む少女に彼女は安心で涙を流した。
その後、2人はしばらく彼女が泣き止むまでそこで留まっていた。