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黒バス短編集

第7章 【青峰】ピンク・ブルー




『ちょ、ちょっと何してんの!?』


「オレ、悠紀に甘えて何もしてこなかった。幼なじみで、好かれてんのが当たり前で。だから悠紀に無理させてんのにも全然気づいてなかった。…わりぃ」


『大輝…』


「オレだって、悠紀のことちゃんと…好き、なんだ。だから、別れねぇで欲しい。ダメだとしても、チャンスをくれ」


知らなかった。大輝もアタシのこと好きでいてくれたんだ。

その事実だけでも、涙が出そうだった。

やり直したいって思ってくれてる。


『本当に?嫌いになったりしてない?…こんなアタシでも、いいの?』


そう言うと、大輝は顔をあげてポリポリと頭をかいた。


「お前じゃなきゃ、ダメなんだよ…。もちろん、さつきでもな」


「みなまで言わせんな」とばかりに口を尖らせる大輝。

そんな大輝を見て、思わず笑ってしまった。


「おい!」


『アハハ…!ごめんごめん。そんな風に思ってくれてるなんて知らなかった。別れるなんて言ってごめん。取り消す!』


「本当か!?」


『うん。…でも、デートの約束くらい覚えててよね』


「わぁってる。もう忘れねぇよ」


『約束だよ?…じゃ、はい』


アタシは、そっと仲直りの意味をこめて、そっと大輝に口付けた。






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