第7章 【青峰】ピンク・ブルー
「お姉ちゃん。私、さつきだよ。…入ってもいい?」
『さつき…?わかった、入っていいよ』
アタシが引きこもって3日。心配してか、さつきがノックしてきた。
さすがにさつきにあまり迷惑はかけたくなかったアタシは、3日ぶりに妹を部屋に入れた。
適当に座らせると、さつきは言いづらそうに口を開く。
「お姉ちゃん、大ちゃんと別れたって本当?」
『うん、本当だよ』
アタシが頷くと、さつきは辛そうに言う。
「どうして…?だってお姉ちゃん、大ちゃんのこと大好きだったじゃん…!」
『うん、“アタシは”大好きだったよ。それに今も』
「なら、なんで…!」
『でも、大輝にその気はないから。アタシだけ好きで、嫌になっちゃった。大輝には悪いことしたと思ってるよ。…ごめん、って言っといて』
おそらく大輝の差し金で来たであろうさつきに笑ってそう言う。
普段のさつきなら、こういうことにあまり首を突っ込まないから。
「違うよ、大ちゃんに言われたんじゃなくて!私、心配なの。だってお姉ちゃん、全然笑えてないよ…っ」
そう言われて初めて気がついた。
アタシの顔、すごく引き攣ってた。