第6章 【氷室】5年越しのI love you.
オレの全てを賭けて挑んだ試合。
最終的に、過去だとか、確執だとか、全て忘れて…ただただ『想い』だけでガムシャラに動いた。
…それでも、負けた。
それはタイガの、タイガたちの想いがそれだ強かったから。
そう考えると、なんだか馬鹿馬鹿しくなってきた。
うじうじと悩んで、カッコつけて。
タイガに無理をさせて、思いつめさせて。
悠紀とのことだって同じだ。
誰よりも誇り高い彼女は、同情なんていらなかっただろうに。
ああ、なんて馬鹿だったんだろう。
全てに吹っ切れたオレは、ベンチにいる悠紀の方を向いた。
─────今から君に、オレの5年越しの想いを伝えに行くよ。
END