第1章 【黒子】ボク、本当は。
「悠紀さん、おはようございます。今日も可愛いですね。食べちゃいたいです」
『にゃっ!?』
朝登校すると、黒子君…黒子テツヤ君が、あいさつしてくれた。
でも、今日のセリフはいつもと違っていて…驚いて、変な声を出しちゃった。
『どど、どうしたの黒子君!』
「ボク、今まで大人しい人間だと思われてたと思うんですけど…本当は、こんな感じなんです。悠紀さんには嘘つくの、心苦しくて。バラしちゃいました。他の人には、秘密ですよ?」
『そんな…どうして急に、私だけ?』
「好きだからです」
『…ふぇ?』
間髪入れずに、はっきりと言ってきた黒子君の言葉に、私は耳を疑った。…今、なんと?
「だから、悠紀さんのことが、好きだからです」
そんな私の様子に痺れをきらしたのか、はたまた私の顔に?がばっちり浮かんでしまっているのがわかったのか…黒子君はご丁寧にも、もう一度言ってくれた。
今度はちゃんと聞こえた。聞き間違いじゃない。と、いうことは…
『えぇぇぇぇ!?』
白川悠紀、16歳。
今日、生まれて初めて告白されました。