第12章 絡まった想い[下]
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部屋の空気が重い
「はぁ...」
無意識のうちに何度か溜息を吐いていたようだ
不意に璃央が顔を覗き込んできた
「恵...疲れた?」
突然視界に入ってきた璃央に思わず体を引く
「いや...、喉渇いたから何か貰ってくる」
立ち上がって出て行こうとする俺に璃央の腕が絡んできた
「葵を呼んで持ってきてもらえばいいじゃない」
「少し外の空気も吸いたいんだ」
体に巻きついている腕をなるべく優しくほどくと、璃央に微笑みかけた
「...そう。分かったわ、また戻ってきてね?」
「ああ...」
早く出て行きたい衝動を抑え、怪しくない様になるべく自然に部屋を出た
解放された安堵感から一際大きな溜息がもれる