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恋愛玩具

第12章 絡まった想い[下]



本当は...あゆちゃんはここにいるべきじゃなかった...
俺たちのことに巻き込むべきじゃなかったんだ

でも...
恵を引き止めるためには、あゆちゃんがいないとダメなのかも...

今にも泣き出しそうなあゆに駿は優しい眼差しを向けた

「あゆちゃん。扉が閉まる瞬間の恵の表情...見た?」

あゆは駿の言葉に小さく頷いた

「璃央との婚約は、恵の意思じゃない」

「......」

「あいつ...、分かりやすいよな。問題を抱えるとすぐ眉間にシワを寄せて、全てを閉ざす様な目をする...」

先程見た恵の表情を思い出しながら駿は目を伏せると掠れた声で呟いた

「あんな悲しい顔...見せやがって...。全部1人で背負う気ならあんな顔すんなっての...」

そう言って笑った駿の表情は辛そうにしかめられていた

「このままフランスに行かせても上手くいくはずがない。璃央だって...恵の態度にそのうち不満が出てくる。その時、何するか分かんないからな...」

小さく呟いた駿の瞳は迷い無く、真っ直ぐと前を見据えていた

(武本君...雨宮君を引き止める気なんだ...)

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