第12章 絡まった想い[下]
「あゆちゃん。そっか、俺...1人で...。ごめん...」
「ううん...。武本君、大丈夫?」
息を整えながら心配そうに問いかけるあゆに、駿は目を細め眉尻を下げる
「...、うん。大丈夫。ごめんね、色々巻き込んじゃって...」
(武本君が悪いワケじゃないのに...)
謝ってくる駿にあゆは思いきり首を左右に振った
「巻き込まれたなんて思ってないよ?」
気遣ってくれているのだろう...
不安げに眉を寄せて見つめてくるあゆを見て、駿は軽く息をつくと壁にもたれかかった
「情けないよな、俺。あんなに取り乱して、あゆちゃん怖かったでしょ...?」
泣きそうな顔で笑いながらそう呟いた駿に、あゆは目に涙を溜めて口を噤む
そんなあゆの姿に、駿は先ほどの光景を思い出し後悔していた