• テキストサイズ

恋愛玩具

第12章 絡まった想い[下]



私も息を潜めて雨宮君を見つめたまま、胸元の拳を強く握った

「俺も合意の上で、婚約を決めた」

やっとこちらに向けられた瞳

その瞳は真っ暗で、冷たく私たちを見据えていた

「あいつは...。梨奈は、もう死んだんだ。死んだ人間を想っていても意味ないだろう...」

「恵っ...、嬉しい!」

雨宮君の言葉に璃央ちゃんが嬉しそうに抱きついた
そんな璃央ちゃんの背中に腕を回す雨宮君

幸せそうな、2人...?

ううん、違う
私には、幸せそうな2人には見えない

雨宮君は...本当にこれでいいの?

暗い闇に沈んでいくような声
冷たくて、光のない瞳

真っ暗な瞳は現実を見ないように必死になって
自分を殺した瞳の様に見える

(やっぱり、2人の間に何かあったんだ...)

また、自分を犠牲にするの...?
なんで...1人で抱え込むの...?

2人の様子を見ていた私と武本君の間に重い空気が漂っていた


/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp