第12章 絡まった想い[下]
「...は?」
更に部屋が冷気に包まれる
勝手に体が震えて苦しい...
唇の震えが止まらなくて、口元を手で覆った
「いつまでも梨奈の死を悲しんでいても、あの子は喜ばないわ。...梨奈はいつも笑顔だった。私たちが笑顔でいる事が、何よりあの子にとっての幸せよ」
璃央ちゃんは穏やかに微笑み雨宮君の手をとった
「梨奈だって、きっと...私たちの事を祝福してくれているわ」
妖艶な笑みを浮かべた後、ゆっくりと雨宮君の手の甲に唇を寄せた
その光景に、鼓動が速くなって締め付けられるように苦しくなる
あの2人は婚約したカップル
結婚を約束した2人なんだ...
以前の私と雨宮君の様な関係じゃなくて...
璃央ちゃんが言った様に、2人は祝福されるべき存在
(なのに、なんで...こんなにモヤモヤするんだろう...)
あゆは胸の辺りをキュッと握り締めた