• テキストサイズ

恋愛玩具

第12章 絡まった想い[下]



「...全然、笑えない」

武本君の言葉が、空気をピリッとさせた
冷や汗が背中を伝う

笑っていた璃央ちゃんの顔からは笑顔が消えていた

「ふざけんなよ...。何考えてんだお前ら」

武本君から感じる冷たい空気
私はあまりの緊張感に喉奥を震わせていた

「婚約の発表も大事かもしれない。でも...、別に今日じゃなくてもいいだろ...。梨奈の命日にすんじゃねえよ!」

武本君の怒声に胸がいっぱいになって思わず涙が出そうになる

雨宮君...
梨奈さんの名前にすら反応しない

(本当にどうしちゃったの...?)

「駿様...」

「うるせぇ!梨奈の命日に呼ばれていきなり婚約発表されても心から祝福なんか出来るかよっ...」

宥めようと武本君の肩に触れた執事さんの手を振り払う

私はその様子をただジッと見てる事しか出来なかった...

「梨奈の命日だからよ」

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp