• テキストサイズ

恋愛玩具

第12章 絡まった想い[下]



長い廊下を走って探しているのはあの2人

2人を見つける前に、見覚えのある背中が目に飛び込んできた

「葵!」

武本君の声にピタリと歩みを止めたその長身の男性は、ゆっくりと振り返った

「...いかがなさいましたか?駿様」

私たちを見るなり微笑んだ執事さん
今はこの柔らかい物腰が焦れったく感じる

「恵は...、恵と璃央は今どこだよ!」

噛み付きそうな勢いの武本君に、執事さんは表情ひとつ変えずにゆっくりと口を開いた

「璃央様の、お部屋でございます」

時が止まったみたいに空気がピンと張り詰めた

微笑んでいる執事さんと武本君が睨み合っている様に感じて、私は息を殺してその様子をジッと見つめていた

「...葵。お前」

「はい」

「恵と璃央の事...、何で俺に言わなかった?」

武本君の声が震えてて、泣いてるみたいで...
胸がきゅう、と苦しくなる

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp