第12章 絡まった想い[下]
「あゆちゃん...」
「恵...、顔色悪くない...?」
眉を寄せたままの武本君が心配そうに呟いた
心臓がドクドクと速くなる
「私、霧島璃央は...。彼と...雨宮恵と婚約いたしました」
ザワッ
璃央ちゃんの言葉に、広間にいた人たちが驚いた声を上げた
誰1人、婚約の事を知らなかったんだ
2人の親友の、武本君も...
「今は婚約という形ですが、高校を卒業後...正式に結婚の話を進めていく予定ですので、皆様今後ともよろしくお願いいたします。それでは、引き続きパーティーをお楽しみくださいませ」
最後に璃央ちゃんは一際輝いた笑顔を見せると、2人は執事に連れられて広間を出て行く
その姿を、皆が拍手と共に見送った
呆然としている私たち以外は...