第12章 絡まった想い[下]
「あれ...?」
私の隣から武本君の呟きが聞こえた
奈々先生も私も、目を丸くして”2人”を見つめる
「...雨宮、くん」
さっきとは違う
光沢のあるブルーのドレスを身に纏った璃央ちゃん
そして...璃央ちゃんの隣には、雨宮君が立っていた
「璃央...あんな仮面つけてたっけ...?」
眉を寄せ顎に手を当て首を傾げた武本君
確かに、さっき見た時は無かったのに...
顔左半分を覆い隠す様に璃央ちゃんは仮面をつけていた
(なんでだろう...?)
「ご挨拶が遅くなってごめんなさい。本日は、このような小さなパーティーに足を運んでくださってありがとうございます。実は...皆様にご報告したい事があってお招きいたしました」
そこで一旦言葉を切った璃央ちゃん
隣の雨宮君を見つめて微笑むと、嬉しそうに腕を絡めて寄り添った
胸に切ない痛みが走る
璃央ちゃんの隣に立つ雨宮君が私の知らない人に見えた