第12章 絡まった想い[下]
先ほどまでいた広間へと案内されて武本君と共に中へと入った
さっきまで広いこの場所に大勢の人がいたはずなのに...
今は半分ほどの人数になっている
「あゆちゃん!」
「あ、奈々先生!」
広間に入ってすぐに声を掛けられて視線を向けると、奈々先生が心配そうに駆け寄ってきた
「さっき倒れたって...。もう大丈夫なの?」
「あ、はい...。心配かけてすみません」
「よかった...。ちょっと遅れて武本君と来た時に倒れたって聞いて驚いたのよ。武本君と一緒に行きたかったんだけど、色んな人に呼び止められちゃって...」
「皆様」
突然響いた透き通る声
広間にいる全員が、壇上の少女へと視線を集めた