第12章 絡まった想い[下]
「分からない。どうしてそこまで想うの?もう梨奈はいないのに...。もう忘れちゃえばいいじゃないっ...」
「無理だ...、梨奈を忘れる事なんて出来ない。俺があいつを殺したんだ。俺があの時...時間通りに梨奈に会えていたら...梨奈は死ななかったかもしれない...」
痛々しいほど声を震わせて片手で顔を覆うと恵は顔を背けた
「まだ14歳だったんだぞ。14年で何が出来る?これから楽しい事が沢山あったはずだ。やりたい事もあっただろう。それを、俺が...」
梨奈...
恵にとって、そんなに大切な存在なの?
梨奈がいなくなったら、何もかも上手くいくと思ってた
なのに...
私の方に向いてくれる以前に、恵は深い傷を負って苦しんでる...
傷...
傷?
璃央は一瞬何かを考えた後
思いついた様に目を光らせ口角をつり上げた