• テキストサイズ

恋愛玩具

第12章 絡まった想い[下]



「...あ、あの子ね!椎田あゆのせいで...」

「違う。あいつは関係ない。...あゆに出会ってなくても、今の気持ちは変わらない」

「.....梨奈?梨奈がいるから...?」

僅かに恵の表情が強張った

ねえ...どうして?
梨奈は死んだのよ...?

どうして...
なんで死んだ人間に私が負けるの?

「...どうして」

小さく呟いた言葉は虚しく空気に溶けていった
瞳から涙が落ちて強く唇を噛みしめる


「...梨奈は、俺にとってかけがえのない人だ。大切な人だっていうのは...ずっと変わらない」

「梨奈はもういないのよ?」

璃央の放った言葉に恵は苦しそうに顔を歪めた

指先が震えてるくせに拳を作って
あなたはまた悲しみに耐えるのね...

一生消えない傷を背負って

どうして1人で生きていこうとするの?

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp