第12章 絡まった想い[下]
「...恵、私本気よ。恵の事が好き」
「......」
「昔からずっと好きなの。フランスにいる間も、恵を忘れた事なんて無かった」
静かな室内
恵の反応は...無い
璃央は抱きついた腕の力を強めた
「恵が欲しいの。だから...」
「悪いけど...」
璃央の言葉を遮って体が離れた
「お前の気持ちに応える事は出来ない」
振り向いた恵の瞳は真っ直ぐ璃央を見据える
「...恵」
「璃央とは付き合えない。...ごめん」
真っ直ぐな瞳
真剣な表情
嘘じゃない
恵は本気でそう思ってるんだ...