第2章 始まり(R18)
「えっ...?」
彼の言葉に目を丸くし固まった瞬間
すごい力で引き寄せられソファに叩きつけられるように押し付けられた
「ふぎゃっ!!」
雨宮君の顔と天井が見える
遅れる思考をなんとか働かせようと必死だった
「色気ねえ声...。もっと色っぽい声出せねぇのかよ」
「なっ...」
(こいつ...ムカツクっ!!)
「俺を怒らせたお前が、悪い」
「...っ」
教室での出来事を思い出し言葉が詰まる
逆らえない悔しさと、自分が悪いと言われた複雑な気持ちに涙が溢れそうになる
そんな様子を彼は気にもとめず、再び顔を近づけてきた
「いやっ!」
反射的に動いた手
しかし、今度は簡単に止められてしまった
「女に叩かれたのは初めてだ...」
うっすらと微笑した彼の左手に私の両手はあっけなく拘束される
ふと横のテーブルに視線を移した彼は、資料の梱包に使うであろうビニール紐で私の手首を簡単に縛ってしまった
「...!」
「二度目はないから」
妖艶に笑った彼の表情に目を奪われる
手の自由もきかなくなって、心臓が壊れそうなくらい速くなっていくのが分かる
「力抜けよ」
こんな最悪な状況なのに、ドキドキしてるのは何故...?
最低な事ばかり言ってくるのに...どうしてそんなに甘く囁くの?
冷たい瞳に見つめられると逸らす事が出来ない...