第2章 初夜を改めましょう[ダリューン裏]
夕食を食べ終わり
少しの雑談をした後寝室へと向かった
いつも通り床に入ろうとした
ダリューン様の手をとり
彼の顔を見つめると
かなり驚いた様な顔をしている
「ダリューン様…」
「名前…様…?」
アルフリードとファランギース様の
言葉を思い出そうとしても
頭の中は真っ白で
この先はなんのプランもない
「えっ…と、その…」
私には手を握るだけで精一杯だ
でもこのまま
引き下がる訳にはいかない
勇気をだして
一歩を踏み出す
「私、覚悟は
出来ているつもりです。
貴方と夫婦になると決めた時から」
ダリューン様と目を合わせ
言葉を紡いでいく
「…だ、抱いてほしいのですっ…」
はしたないと
思われてるかもしれない
幻滅したかもしれない
でもこれが本心
りんごのように
顔を赤らめたダリューン様は
手をそっと私の頬に添え口を開いた
「…っ、貴女は
御自分が仰っている事の意味を
分かっておられるのですか…?」
「分かって、いなければ
こんな事言いません…」
「いいや、分かっていない
俺がどれだけ我慢してきたことか
貴女はそれを無にしようとしている」
段々と言葉が砕けていくダリューン様
私にこんな風に接する彼は初めてだ
「ダリューン様こそ、なにも分かっていらっしゃらないわ
なにを躊躇って、なにを我慢されているの」
「俺は躊躇ってなど…!」
「私は貴方の妻です、
しかしそれ以前にダリューン様を愛す1人の女なのです」
結婚したからだとか、妻だからだとか
そんな事どうだっていい
私はただ純粋にこう思ってるのだ
「愛している方に抱かれたいと思うのは間違いなのですか…?」