【基山ヒロト】怖いです!嫌です!近くに来ないで!!
第9章 不思議なコト
「ヒロトさん…」
振り向くと思った通りの人物で心が痛い
「流星ちゃん?どうしたの?」
僕の顔になにかついてる?と言わんばかりで首を傾げる。ヒロトさんは悪くない。ヒロトさんは何も知らないのだから。
「…吉良くん。」
ドサッ
咄嗟にそう呼ぶと人が倒れた音が耳に響く。倒れたのは目の前にいる«基山ヒロト»であった。
「ひ、ヒロトさん?」
突然のことで理解ができなかった。慌てて私はヒロトさんに駆け寄り体を揺さぶる。しかし気を失っているのかびくともしない。
(い、息は…)
焦って耳を顔に向ける。スースーと微かながら息をしていた。
「よかった…生きてる」
何故かすごく安心して、ほっと一息がつく。とりあえず何処かに運ばなくては…ここからだとヒロトさんの部屋よりも、茂人くんの部屋が近いし…私一人じゃ抱え込むのは無理だし、ひとまず茂人くんにも協力してもらおう…
コンコン
「あの…」
ガチャ…
私が用件を言う前にドアが開いた。
「どうかしたのか?」
出てきたのは南雲くんだった。....?部屋間違えたのだろうか....?
「晴矢....?どうかした?あ、流星ちゃん」
後ろから茂人くんも出てきた。よかった。南雲くんが茂人くんの部屋に遊びに来てるだけらしい....安心。って。そんなこといってる場合じゃない!!
「二人とも助けてください!!」