第1章 あと2センチの距離
私の名前は、えいとくちなみ。
私は、今、隣の幼なじみの家にいた。
その幼なじみとは、キルア=ゾルディック。
私の幼なじみであり、家が隣である。
私が片想いしている相手でもある。
その当の本人は、呑気にベッドで寝ている。
銀髪に端正な顔立ち。
私は、思わず顔を赤くする。
そして、無意識にゆっくりと彼に近づいていく。
…………5センチ
………4センチ
……3センチ
…2センチ
……ともうすぐ彼の唇に私の唇が触れそうになった瞬間!!
「キルアーーーーーー!!!!」
そして、私は、ピタッと一時停止し、彼から離れる。
あの声は、確かキルアの新しい彼女の声だ。
私は、ベランダから自分の家へと帰る。
帰る前に彼の寝ている方を見る。
無意識に切ない色で彼を見つめる。
あと2センチの距離がこんなにも遠い。