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【暗殺教室】これでも私は

第3章 変わる心境



自分にただただ言い聞かせ、徹底的に赤羽業を無視する。

私の隣は空席だ。赤羽業など空気だ。そうだ、そんな奴は存在しない。だから声なんて聴こえない。

そうして、私は耐えた。だが、一方的にストレスが溜まる。

そうやって、今日一日は赤羽業との、不毛な攻防戦が続くと思ったが、お昼の時間には、それは終了した。

お昼の時間から段々と大人しくなって行き、午後には静かになった。

きっと、反応しない私に飽きたのだろう。素晴らしい。私の勝利だ。これでゆっくり睡眠が取れる。

確か、次の時間は英語だったな。担当はあのタコじゃないんだっけ?まあいいか。怒られたら、怒られたで。

そして私は、机に突っ伏し寝る。お休みなさい。

「こら!そこのクソガキ!起きなさい!」

あまりの怒鳴り声に、重たい瞼を開く。

「…………ん?」
「ん?じゃないわよ!」

黒板の前で怒っているのは、金髪青眼の美女。おまけに、やたらとスタイルが良い。

「じゃあ、おはようございます」
「何ボケてんのよ!」
「…………」

なかなかの怒りようだ。どうしよう。

「私はイリーナ・イエラビッチよ。覚えておきなさい」
「はい。ミス・ビッチ」
「いきなり略すな!」
「……長いから」
「長くない!」

せっかく美人なのに、そんなに怒ること台なしだ。

「もう良いわ。これ、読んでみなさい」

何やら英文が書いてあるぞ。ふむ。読めそうだ。

ガタン!

読む前に物凄い音がして、原因の隣に視線を向ける。

見ると、赤羽業が床に倒れていた。すぐさま駆けより軽く揺する。

「ッ!おい!赤羽業。聴こえるか?」
「聴こえ……て…………る」

声をかけると、弱々しい返事が返って来た。相当弱っているようだ。

「ちょっと悪い」

一言声をかけ、首筋と手首に手を当て、脈を計る。異常はたいしてない。次に瞳孔を確認し、額に手を当てる。その他、いろいろな箇所を診ていく。

「なんだ。ただの風邪か」
「ただの風邪って、高熱じゃん!」
「ああ。でも、毒とかじゃなくて良かった」

風邪と言っても、倒れる程の高熱は危ない。

「毒って何!?」
「暗殺者が暗殺者から狙われるケースも少なくない。実際、私も何度か引っ掛かった」
「え!でも、僕達暗殺者じゃ……」
「十分立派な暗殺者だよ」

E組は立派な暗殺者集団だ。本人達の自覚は薄いようだが。





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