第1章 そばに
ジャー
外からは夏の大会に向けて張り切る運動部の
声と蝉の鳴き声が上手く合わさっていた。
クーラーのない音楽室隣の準備室は、
楽器を片付ける金管組であふれていた。
水道の水は緩く、暑さを物語っている。
さくらは、しばらく無表情でマッピを洗って
いた。
が、部活終了10分前のチャイムが鳴ったため、
皆一斉に急ぎ始めた。
この学校の夏の部活終了時間は6.30だった。
その時間に生徒玄関は閉められるため、遅れる
訳にはいかなかった。
片付け終わった人が次々と音楽室にいったため
準備室は数人になった。
(マジか……)
居合わせたメンバーは、さくら. 祐
陽香だった。
二人はチャイムを片付けている最中で、カバーを
掛けようとしていた。