第2章 序章
男は涙ぐむ。どうして俺は好きな女を幸せにできないんだろうと……
女は強がる。本当に好きな人だから…そう簡単に失いたくないものだから……
その気持ちは音に乗せても一人で奏でるものではないから一人一人の想いはわかりにくい。
しかし、感情を露わにし過ぎるのもどうかと…
そんなものは醜い嫉妬や妬みに見える。
いっそのこと感情なんて捨ててしまいたくなる。
でも、捨ててしまったら誰にも自分たちの唄は届かない。
届ける側はいつでも仮面を被らないと…。
心を込める程度の感情輸入じゃないと
相手は聴いてくれようとはしてくれないから