第2章 出会い
ゼノ「やめないか。」
ゼノはアルバートを片手で制止ペタンと座りこむ私と同じ視線になるまで屈む。
ゼノ「綺麗な目ではないか。」
私は目を見開いて驚いた。
綺麗な目・・・
そんな事を言われたのはもちろん初めてで
顔がカアーっと赤くなるのが分かる。
(綺麗な目・・だなんて・)
褒められた事が初めてなら
目を誰かと合わせたのも初めてだった。
ほんの少し痛んだ心がスウーっとあったかくなるのが分かった。
ゼノ「傷は大丈夫か?」
ゼノは手を伸ばし私の顎をクイッと持ち上げると
右に向けたり左に向けたりした。
ゼノ「血は止まってるみたいだ。医者に診てもらえ。」
そう言うとダランと垂れ下がった私の右手を
持ち上げると
そこに見たこともないほどの大金を持たせた。
ゼノ 「これで足りると思うが。」
そう言って立ち上がるとアルバートになにか声をかけて行ってしまった。