第13章 春の季節【葉山 小太郎】〈アンケート〉
「何を言ってるのよ。当たり前でしょ?いってらっしゃい。」
実渕は、クスと綺麗な笑い方をすると葉山は、実渕にありがとうーとニカっ!と笑う。そして、葉山は軽々と柚をお姫様抱っこをしては、保健室に向かうのだった。
保健室に運ばれている途中で、柚は茫然としていたのだ。話の内容があまりにも急展開過ぎてしょうがないみたいだった。
「せんせーい!いねぇーの?」
保健室の扉を開けるが、入学式早々忙しい為、保健室の先生はいなかった。葉山は、仕方ないか…と呟きながらベッドに柚を下ろす。
「さっきは、本当にごめんなー。ちょっと、待ってて。氷用意するから。」
葉山の言葉に、大丈夫とばかりに焦りながら柚は断ろうとするが、葉山はニカっと笑うばかりだ。
「遠慮することないって!俺の責任だって!気にすんな!教室は、レオねぇに任せておけば大丈夫だって!」
ビニール袋を用意しては、冷蔵庫に用意してあった氷を入れて濡れないようにタオルを巻いていく。その動きはかなり手慣れていたのだ。
氷が入ったビニール袋を葉山は柚に渡そうとしていが、やると言い出したので、葉山がビニール袋を持って柚の後頭部に優しく当てる。