第11章 幼馴染【高尾 和也】〈アンケート〉
「マジ、サンキュー!助かった~。」
高尾は、自分のノートを机の上に広げては柚のノートを写し始める。やがて、柚のノートが返されるのは、授業が始まる前だった。
目的のノートも無事終わっては、放課後へと時間が経つ。次々と部活の場所へと向かうが、柚は部活に入っておらず帰る準備をしていた所、隣に座っていた高尾に声を掛けられる。
「なぁ、もう柚は帰りだよな?」
高尾からの質問に、コクコクと頷く柚。高尾は、これからバスケ部の活動がある。相棒である緑間も準備が終わり高尾に声を掛ける。
「高尾、そろそろ行くのだよ。」
「分かってるよ、真ちゃん。てなわけで、柚も行こうぜ!」
高尾は、いきなりテンションを上げては柚の鞄を持てば、柚の右手を掴み走り出す。突然、引っ張られた柚は戸惑うばかりだ。
その様子から、緑間は呆れた表情をしていた。
「高尾……松山が困っているのだよ…。」
それだけ呟いては高尾と柚の後を追いかけるように歩き出すのだった。