第11章 幼馴染【高尾 和也】〈アンケート〉
高尾と柚は、幼馴染関係。仲が良すぎて、よくクラスメートに恋仲関係じゃないかと誤解させる。
「だから、俺達は幼馴染だってば~。そういう関係じゃないから。」
高尾が笑いながら同じクラスメートに言う。それは、柚も同じだ。よく女子から質問されては、高尾と同じように言うしかなかった。
そんなある日のこと、朝部活から帰ってきた高尾は、すっかりと学校の宿題を忘れていた為、隣に座っている柚に話し掛ける。
「なぁ~柚。宿題見せて!」
高尾は、手を合わせては柚の前で頭を下げるが、柚は首を左右に振る。それを見ていた高尾は、目を丸くさせては苦笑をする。
「マジで頼むよ~。頼りになるのは柚だけだって~。真ちゃんなんか…見せるわけがないのだよ、って言うんだぜ?」
高尾が緑間の物真似が上手かったのか、柚はクスクスと笑い出すばかりだ。仕方なかったのか、渋々柚は自分の鞄から宿題のノートを取り出す。
そして、今回の宿題の部分を広げては高尾に渡す。高尾は、嬉しそうに表情を緩めて柚にお礼を言う。