第9章 距離感【笠松 幸男】〈アンケート〉
→ありがとうございます。
柚は、ペコと頭を下げて笠松にお礼を言うと、笠松は顔を赤く染めては慌てる様子があったが、手伝いをするのだった。
と言っても、残っているのは柚が洗った物だけだった。いつもだったら、籠に入れては元の場所に戻す。
だが、今回はゼッケンも使った為、相当な量があった。柚は、綺麗に畳んでは籠に入れていく。そして、全てのゼッケンが籠に入る。柚が持って行こうとしたとき、笠松がそれを阻止する。
「お、俺が持って行く…。流石に、お前に任せきりじゃあ、マズいだろ…。」
笠松が柚に、そんなことを言いながらゼッケンが入った籠を持ち上げて歩き始める。すると、自然の流れなのか片方の手を笠松は柚に差し伸べる。
「ほら……置いて行くぞ……。俺が女に触れられるのは………お前だけかもな…………。」
距離感【笠松 幸男】
〈END〉