第16章 テスト【笠松 幸男】〈アンケート〉
「森山…俺は女が苦手なのは分かったるんだろうな?」
「いいじゃないか、笠松。笠松だって、一度は話してみたいった言ってたじゃないかー。」
「それ以上言うとシバくぞ?」
そう、森山の言った通りに笠松は一度でも柚と喋ってみたいという気持ちはあったが、女が苦手な笠松にとっては困難な道だった。だが笠松と柚のクラスは別だった。
すると、何か思い付いたのかポンと手を叩いては、あることは森山が言った。
「そうだ、笠松。今日、放課後の時間に図書室で勉強しよう。俺もイマイチだが、教えるからさ。」
「なんかお前に教えられるとか、プライドが傷つくが…分かった。」
森山の提案に頷く笠松。だが、これが森山の作戦だったとは知らなかったのだ。この時の森山は、どこか楽しそうな表情をしていたのは笠松には内緒だった。
放課後の時間になっては、笠松は森山と共に図書室に向かっては勉強を始める。その時、ガチャと図書室の扉が開く。そこにいたのは、柚だった。
その時、森山は手を上げて振る。この行動に笠松はまあ口説くのか…と思って呆れていたが今回は違った。気付いた柚は、森山と笠松に近づいてぺこりと頭を一度下げる。