第15章 梅雨【赤司 征十郎】〈アンケート〉
その反応から柚は、赤面をさせては手を左右に振る。赤司は口元に手を、もっていきクスクスと笑うばかりだ。
「可愛い奴だ。さて、からかうのはここまでにして…風呂まで案内するよ。ほら、タオルだ。軽くだけでも拭いておくといい。」
赤司は、手際良いのかタオルを取り出しては柚に渡す。勿論、赤司自身もタオルで濡れた髪の毛とかを拭き取っていく。
赤司が髪の毛を拭く仕草は、とても魅力的だと感じる。それは、誰が見たも惚れてしまうであろう。思わず凝視してしまった柚に対して、赤司は首を傾げる。
「どうしたんだい?柚。」
赤司が言うまで無意識に見てしまった柚は、なんでもないというばかりに、首を左右に振る。その様子から嘘つき…と呟くように言う赤司は、拭く手を止めては柚のタオルを取る。
「僕を見ていて、何を思ってたかは分からないが、いつまでもそうしてると風邪を引いてしまうよ?」
赤司は、微笑みながら柚の髪の毛を優しく拭いていく。柚は、自分で拭くというばかりに、赤司の手を掴み拭くのを止める。