第15章 梅雨【赤司 征十郎】〈アンケート〉
6月といえば梅雨の時期でもある。毎日降り続ける雨、嫌な湿気。だが、スポーツの世界ではそんなの関係ない。
今日は、珍しく雨が降らないという予報だった為、傘を持って来なかった。しかし、予報は外れ、急に雨が降ってきた。急いで、家の中へと避難する。
「参ったな。すっかり、お互いにびしょびしょだ。寒くはないか?」
赤司は、びしょびしょになった柚を心配そうに問い掛ける。その様子から柚は、コクコクと頷く。濡れているといえば、赤司もそうだ。
雨は思っていたより酷く降ってきた為、頭からびしょびしょだ。避難した場所とは、赤司の家だ。洛山高校から近い場所に住んでいた為、そこまで走ってきたのだ。
「このままだと風邪を引くな。折角だ、風呂に入っていくといい。」
赤司の言葉を聞いた柚は、慌てて首を左右に振れば赤司はクスと笑うばかりだ。まして、今は髪の毛が雨で濡れている為、どこか色っぽかった。
「まぁ、今の君はかなり色っぽくて僕はいいと思うが、バスケ部のマネージャーが風邪を引いてしまったら、どうしようもないな。」
赤司は、口元を僅かに吊り上げては意地悪そうな表情をする。