第3章 靴屋の小人
いつものように皮を切って仕事場を離れ、もう一度戻って待ち伏せす
ることにした。
ちょうど12時になった頃、急に油の入ってないランプに火がついた
かと思うと皮が動き始めた。
そこをよーく見てみると、なんとそこに2人の裸の小人がいたんだ。
夫婦はとても驚いた。
小人の作業を眺めていたら、あっという間に靴は完成して日が昇る頃
にはすっと姿を消したらしい。
そんな時おばあさんがふと言ったんだ。
「あの2人の小人は裸だったわね。
あれじゃ寒いわ、私は2人分の小さな服を作ろうかしら」ってな。
そしておじいさんも言った。
「だったらわしは小さな靴を作ろうかな。」
夫婦は小さな服と靴を作って、夜に仕事場に皮の代わりに置いておい
た。
そしてまた12時になると、油の入っていないランプに火がついて2
人の小人が現れた。
小人は夫婦の作った服と靴を見つけて大変喜びながら帰っていった。
その後、小人が現れることはなくなったが、おじいさんの作った靴は
よく売れたんだと。
まぁ、めでたしめでたしだな!」