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第9章 中学校


此処で俺の心臓がドクリと1つ嫌な音を大きく打った

『あんまり見せたく、ないんだけどね』

そう言って儚く微笑む氷月

俺達の目は完全に見開き

その白い、細すぎる腕を凝視する

そこから俺の胸は苦しいほど締め付けられ

息をするのも忘れてしまう

皆の表情は驚愕しておった

あの3強や手塚、乾、不二までの表情が

赤也とブンちゃんは今にも泣きだしそうに

知っておった柳生は苦しそうに

ジャッカルは驚いて固まっておる

自身の胸に手を当てれば

ドクドクと大きく脈打っておる

そして小さく息を吐いて氷月に近づいて行く

仁「もう、ええんじゃ」

誰にも見せんように、隠すようにして

氷月を優しく包み込む

俺の胸に頭を押し付け、先程まで寝ておったために

その低い体温を温めるように包み込む

体の細い氷月は、簡単に俺の腕に収まった

肉のないその体は、まるで骨を抱いているように感じるくらいに

ベットに置いてあるパーカーを静かに持ち上げる

仁「暑くないか?」

『うん』

仁「出来れば着ておったほうがええ」

『わかってるよ』

俺は氷月を離してパーカーを渡す

そして、その長袖に静かに腕を通してファスナーを4分の3まで上げる

『これでいいかな?』

仁「ああ、すまんのう」

『いいよ。慣れてはないけど、わかっていた事だしね』

皆の方に顔をやれば、皆が視線を外しておる

戻して氷月の表情を見る

まだ、少し青いようじゃ

仁「無理せんと寝ときんしゃい。隣で寝ておる奈々が寂しがるしのう」

『雅治がそこまで言うのならもう一寝入りするよ』

足を布団に戻して体を横にする

俺は布団を掛け、最後にカーテンを閉め

皆の輪に戻った

仁「こう言う事じゃ」

追い打ちを掛ける

間違いなく氷月は心に傷をもったかもしれん

その痛みと俺の追い打ちはどちらが痛いんじゃ?

河「ご、ごめん。俺が言ったせいで...」

仁「謝るのなら氷月に言いんしゃい。俺じゃなか」

手「いや、仁王の言葉を受けていても無理強いしたのは俺達だ。すまなかった」

手塚がそのまま頭を下げると、青学全員が頭を下げた

桃「俺、あんな人が殺人したなんて」

菊「そうだニャ。よく考えればよかったニャ」
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