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ゲームはお好き?

第24章 涙


1日が終わり、面会時間が過ぎた

それによって「家族」で登録されている雅治を残して

皆は自宅に帰っていく

約3名は今にも寝そうな表情をしながら

仁「氷月、抱きしめてもええか?」

『今日はえらい甘えん坊なんだ』

仁「お前さんが甘えんだけじゃよ。普通はお前さんが甘える所じゃ」

『甘える、ね。「甘え」方も忘れてしまったのだろうか?』

仁「忘れたんじゃなく、抑えておるんじゃなか?」

雅治はベットに座り私を包む

私の顔の横には一緒の方向を見ている雅治の顔がある

こうやっているだけで安心を覚える

何時までも包まれて居たい、何処までも一緒に居たい

これは「欲求」に入るのではないか?

仁「何を考えておるんじゃ?」

『ん?うーん、「欲求」についてかな?』

仁「?」

『雅治に何時までも包まれて居たいし何処までも一緒に居たい、ってね』

仁「サラッと恥ずかしい事を言うんじゃな」

『?、そうかな?』

仁「自覚なしか」

『それともこれは「甘え」?』

仁「そうじゃな。「欲求」よりも「甘え」が正しいかもしれんな」

雅治の息が耳に掛かってくすぐったい

『!』

急に左脇腹が触れられた

視線を落とせば雅治の骨ばった手が私の脇腹を軽く抑えている

そこから暖かさを感じる

隣の表情を見れば苦しそうな痛そうな表情をしている

仁「すまんかった」

『どうして雅治が謝るのかな?』

仁「俺が守ってやると言ったんじゃ。それを」

『終わった事だよ。それに私は生きて此処にいるよ』

生きてあの世界から抜け出す事が出来ているだけで

私は十分に幸せだよ

『雅治、私は此処に居られるだけで幸せなんだよ。だから、ありがとう』

仁「!、お前さんには敵わんな」

『後さ』

仁「?」

『それ、セクハラ行為に繋がるよ?』

仁「ほう、そんなに俺に抱かれたんか?」

『誰がそんな事を言った?』

仁「俺、結構正直者なんじゃが?」

『阿保か。学校に行けなくなる期間が増えるぞ』

仁「なら俺の「欲」は此処で抑えておいてやるぜよ」

『他を抱いてろ。他を』

仁「俺が満たされんのじゃが」

『それだけやっといて私で満たされる訳ないだろう』

仁「本当に抱きたいのはお前さんだけじゃ」

『帰れ、変態』

仁「クックック...、しゃーないのう。今日は帰るぜよ」
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