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ゲームはお好き?

第23章 新しい事


目の前では先程と違った試合を見せてくれる

焦っていた雅治は冷静さを取り戻し

1球1球に力を込めて返している

真「氷月、なのか?」

『はい?』

弦一郎に声を掛けられて振り返る

赤也とブン太は今にも泣きだしそうな表情をしていた

柳「恐らく、弦一郎はお前の記憶は戻ったのかと聞いているのだ」

『さっきの会話が全て物語っていますよ』

柳「フッ...だろうな」

柳生「お体の方はどうでしょうか?」

『雅治にも言ったけど、今までにないくらい快適だよ』

水島「氷月ってスポドリ大丈夫だっけ?」

『そう言えば聞いていませんね』

水島「聞いてくるから、ちょっと待っててね」

笑顔で言い残すと階段を走って登って行く

羨ましいな、走れる体なんて

切「氷月先輩?」

『なんですか?赤也』

切「!、せんぱーいっ!!」

急に抱き着いてきた赤也に驚いたが

それよりも先に押し倒されてしまった

『っ!』

背中に走る衝撃はかなり痛かった

下がコンクリートだからだろうか、それとも倒れた時の勢いなのか

切「先輩っ!待ってたッスよっ!!」

泣きながら言う赤也は、病室での奈々の姿とダブってしまう

柳「赤也、もうそろそろ離れないと弦一郎が怒っている」

切「うぇ?う、うわっ!」

『出来ればどいて欲しいかな、背中痛いしね』

切「す、すいませんっ!!」

謝罪と共に素早く私の上からどいた赤也

状態を起こすと足に力が入らないようだ

丸「何してんだよぃ?」

『出来れば立ちあがらせて欲しいな』

ジャ「?」

『足に力が入らないんだ』

丸「ほらよ」

ジャ「手、貸すぜ」

2人から差し伸べられた手をしっかりと握って立ちあがる

柳生「こちらが空いていますよ」

比呂士が席を開けて私を座らせてくれた

水島「氷月、いいよだってー!はいっ!」

『ありがと』

受け取ったドリンクを飲む、程度に冷えたスポーツドリンクは

渇いた体の中を潤していく

真「それにしても氷月。よく持っていたな」

『何が?』

柳「ジャージの事だ」

『ああ、大切に保管していたんだよ』

奈々から渡された紙袋には立海テニス部レギュラー陣用のジャージが入っていた

正直、かなり嬉しかった
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