第19章 終わらない
『一体、どのような話しをなさっているのですか?』
氷月はしっかりと目を開けており、天井を見つめて居る
どんな話しって、言える訳ないじゃろう
お前さんが記憶を無くした、あの時の話をお前さんに出来る訳ないじゃろう
全員が口を閉ざす、下手な事を言えば氷月に目を見られてしまうから
嘘を付いておるとバレるから
上手い言い訳が出来ないまま静寂が辺りを包み込む
何を言えば良いのか、皆が迷っておるからじゃ
氷月本人は俺達が口を開くと待って居るらしいけど
水島「ど、何処から聞いてたの?」
『幸村君の「前者」と言う辺りです』
殆ど聞いておらんのか
じゃが、それが嘘で誘っとるかもしれん
切「あ、え、えっと...ゲ、ゲームの話しッスよ!」
おい馬鹿也、何を言うとるんじゃ!
『ゲーム?』
切「ッス!どうしても攻略出来ない、すっげぇ~強いボスに勝てなくて、そんで先輩達の意見を聞こうと思ってッス!」
幸「赤也が、回復をしながらも攻撃で時間を掛けるか、防御を捨ててひたすら攻撃するかってね」
柳「氷月、お前ならばどちらを選ぶ?」
『私ですか、相手にもよりますよね。こちらの攻撃力がないのであれば持久戦に持っていった方がいいのではないかと思いますよ』
仁「なんでじゃ?」
『下手に攻撃してこちらの知らない行動であればすぐに終わってしまうからです』
ジャ「そ、そう来たか...」
真「確かに、それも1つの手段ではあるな」
丸「様子見って事かよぃ」
切「それ、頭の良い人向けの攻略ッスよね?」
忍「俺はひたすら攻撃やな。考えるのは仕事だけでええからな」
柳生「それは言っては行けないお約束事では?」
忍「気にすんな気にすんな」
赤也のゲームの振りでとりあえず場をしのいだが
いくら記憶が無いとは言え簡単には引っかからんじゃろう
いつか絶対に聞かれるな、これは
午後はそのままゲームの話題となり幕を閉じた
氷月が痛み止めを飲みたくないと言ったのは
寝ている間に殺されるかもしれないと言う恐怖から来ておったそうじゃ
実際、殺される寸前までいったからのう
それで「寝ろ」なんていくら図太い神経を持って居る
幸村でも
幸「なんだい?」
仁「なんでもなか」
いや、コイツなら、な