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第18章 記憶


俺は昨日、今日と自分の目で見て自分の耳で聞いた事を全て話した

そして、最後に

仁「今、アイツ...記憶がないんじゃ」

「「!!」」

仁「自分の名前も覚えとらんかった。俺も知らんってな」

水島「え、じゃあ氷月は...」

仁「おん。お前んらの事をも忘れとる」

柳「それは写真か何かを見せたのか?」

仁「いや、会話だけじゃ。病室で携帯なんて、な」

さっき使っとったのは内緒じゃ

仁「暇潰しに学校の話をしたんじゃ。名前を伏せておまんらの事を話して、興味を示すだけじゃった」

柳生「大丈夫ですか?仁王君」

仁「俺はええんじゃ。奈々」

水島「何?」

仁「氷月には少し騒がしくなるかもしれんと言っといた、それでも」

水島「わかってるよ。色んな意味で怪我人なんだもん」

そう、「怪我人」じゃ

体、心、記憶、この三拍子の「怪我人」じゃ

幸「面会は出来るのかい?」

仁「おう、こっちに来る途中で忍足先生に聞いた。本人から了承が出ればええそうじゃ」

丸「そんで?」

仁「本人は大丈夫じゃと言った」

ジャ「そうか」

仁「昨日の今日じゃからな、忍足先生は長居するなと言って居った」

真「そうだな」

仁「明日は一応検診のために午後3時まで面会謝絶とも言っとったぜよ」

切「そうなんスか」

幸「仁王、そう言えば青学の不二からメールが届いてるんだけど」

やば、すごい笑顔じゃ。後ろから黒い何かが見えとる

幸「教えたんだ?」

仁「...どうしてもと言っておったし」

幸「まあ、いいよ。全国で3年前の借りを返さないと行けないのに、弱ったままじゃ試合にもならないからね」

仁「お、おう...」

水島「雅治、命拾いしたね」

丸「おれ、メアド教える時は考えるぜぃ...」

それぞれ席から立ち上がって氷月の病室に向かう

仁「柳生」

柳生「はい?」

最後尾におる柳生を捕まえる

仁「あれ、持ってきてくれたか?」

柳生「ええ、そうですが。まさか」

仁「そのまさかじゃよ」

切「仁王せんぱーい!柳生せんぱーい!行っちゃいますよー!」

エレベーターの扉を押さえて赤也が呼ぶ

仁「今行くぜよ」

柳生「全く、あなたと言う方は」

仁「今回は見逃すぜよ、柳生」

柳生「わかりました」
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