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第16章 脱出?


仁「氷月っ!」

家に帰った時は既に夕日が沈みかけておる所じゃった

いつものようにシャワーを浴びて病院に行くつもりじゃったが

いつもよりも早く帰ってきておった父さんに氷月の意識が戻った事を知らされ

俺はジャージのまま氷月の病室へと向かう

ベットにはけだるげに上体を起こして居る氷月が

真っ赤な空を見つめておった

そんな中、母さんは1人で泣いておる

父さんが優しく抱き寄せると母さんは泣き止んだ

仁「氷月」

いつもの、ベットの隣の椅子に腰かけて氷月を呼ぶと

ピクッと体が反応してこちらを向いた

仁「......」

あの時とは違う、澄んだ美しい青い瞳に惹かれた

こちらを向いたまま喋らん氷月を不思議に思った俺はもう一度呼んでみる事にした

仁「氷月」

目はしっかりと俺の顔を捕らえてこちらを見つめる

そうすると氷月は首を横に振った

仁「氷月、もう終わったんじゃ。お前さんは白川氷月じゃ」

あの時の事をまだ思っておるかと思って言う俺に

氷月の表情は苦い顔をする

『あの』

仁「?」

ようやく口が開いたかと思えば

『どちら様ですか?』

仁「ッ!」

俺はただ驚く事しか出来んかった

仁「お前さん、まさか」

?「記憶喪失だよ」

扉から医師が1人入ってきた

父「先生...」

それは氷月を担当しておる、忍足先生じゃった

忍「脳が何かに対して強く拒絶をしておるんや。恐らくだが君の話した最後の部分に、朝倉が何をしたんやと思う」

あの時の叫び声

あれは、朝倉が氷月を刺した時じゃなかったんか

今だ不思議そうに俺達の顔を眺めておる氷月

『銀髪さん?』

仁「仁王雅治じゃ」

『?仁王、君?何処かであった事があるのですか?』

仁「ッ!...まあ、な。お前さんと通っとる学校のクラスメイトじゃ」

『そうなんですか』

完全に俺の事を忘れておるようじゃ

胸にナイフでも刺さっとるんじゃないかと思うくらいに痛く

体は雪の降り積もる中で立っておるように寒い

そして、苦しくなった

2年とちょっととは言え、あそこまで仲良くなったんじゃ

そして、好きな女じゃ

帰ってきたと思ったのに、な
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