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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第9章 居なくなって初めて気づいた


時刻は日付を変えて少し経った頃

「……はあっ…はぁ……」

思っていたより時間がかかってしまったがなんとか筋トレを終えて飲み物に口をつける

時計を見上げて大事なことを思い出した

「やべ、先生の施設鍵かかってる時間だ」

今日の一件があり、消灯時間には玄関の鍵を閉めるようになった

班長は鍵を閉めてから就寝となってしまったことにより
私はお風呂に行けない

海堂も忘れていたのかやべっとだけ声が聞こえた

私たちは無言でしばし顔を見合わせていたが、とりあえずラケットを置きに部屋へ戻った

そしてお風呂道具や着替えを手にして部屋を出る

お風呂場の前で海堂と2人立ち尽くした

海堂からしたら男なんだし一緒に入ればいいと思っているかもしれない

あれ?でも私のこと気づいてるっぽいんだっけ?

なんてぼんやり考えていると

海堂「先に入れ。俺はここにいる。」

海堂から気を遣った声がかかった

「待ってたら睡眠時間削れるぞ」

時間が時間だ

私の後に入ったら遅くなってしまう

私は諦めて、もうなんでもいいやと投げやりな気持ちになってしまった

そのまま海堂の手首を握り風呂場の扉を開けた

海堂は肩を跳ねさせ、口をパクパクしている

金魚みたいでかわいいな

そう思い、また絶望する

さっきから私の脳内はどうなってるんだ

彼が大人しくしている大きな猛獣に思えてならない

海堂「いや、あの、これはちょっと」

普段の海堂とは全く違う反応が返ってきて思わず笑いが零れた

「キャラ変わってんぞ」

そう言うと不満げな視線が返ってきてなんだか面白い

男の人とお風呂に入るのは小学生以来だな

兄と赤也と姉と4人でよく入った

この年になれば意味が変わってくるし、そう簡単なことじゃないこともわかっている

それでも海堂の手を引っ張り、更衣室に進んだ
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