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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第9章 居なくなって初めて気づいた


「海堂…?」

私は震える声で名前を呼んだ

すると、海堂の背中を押していた手がぴたりと止まった

「何を知った?」

そう問えば、わかりやすいぐらい動揺していた

今日はどうして嫌な勘が冴え渡るのだろう

海堂「……………」

彼は何も言わない

不安が大きくなり、表情を見たくて

そっと後ろへ振り向こうとしたがそれは叶わなかった

私の背に置かれていた手が肩に伸び、しっかりと捕らえて離さない

海堂「まだ、何も。明日のこの時間開けとけ。その時話す」

今ではダメなのだろう

そう判断して私は静かに頷いた

それを見てか、肩を掴んでいた手がそっと離れた

そして

「いでででででで!!!!」

思いきり背中を押された

どうやらストレッチを継続するらしい

海堂「身体かてえぞ。鈍ってんじゃねーか」

後ろから冷ややかな言葉がかかり冷や汗をかく

「あ、あの…海堂サーン?」

嫌な視線の方へ目を向けるとニヤリと口角を上げている海堂の笑顔

脳内お花畑な私は、その含み笑いにすらドキドキと心臓を鳴らす

海堂「今から徹底的に筋トレだ。腹筋、背筋、腕立て、腿揚げ、素振り。全て1000回を2セットだ」

これは脳内お花畑な私でもわかる

無理だ

「ばっか!2000回ずつとか消灯時間過ぎるっつの!」

私の叫びは虚しく響いた

海堂「終わるまで風呂にも行かせねえ」

そう呟いたので慌ててトレーニングマシーンへと向かう

腹筋用の機械に足を掛けて、ただひたすら筋トレをはじめた


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