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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第9章 居なくなって初めて気づいた


私は布巾をキッチンから持ってきて拭いてあげた

「やめてくださいよ、子供じゃないんだから」

そう言いながら笑うと、どうでもよくなったのかそれ以上の追及はされなかった

けれどぼそりと、誰にも聞こえないくらいの声量で

忍足「何かあったら俺に言いや」

そう言ってくれて少し心が暖まった


食事を終えるとみんなそれぞれお風呂に行ったり、部屋に戻ったりした

私はといえば海堂に食堂前で引き止められていた

「どーした?」

そう問えば、彼は少し悩んだあと

「トレーニング室に行こうと思ってんだが、ストレッチの相手頼めるか?」

何故悩んだのだろうと思いつつも了承を伝えた

今日は走り回ったけどラケットを一回も手にしていない

トレーニング室には素振りが出来るくらいの広い空間があったはずと思い、

ラケットを取りに一度戻りたいと申し出た

そして二人でラケットを取りに行くとそのまま3階のトレーニング室に向かった

ラケットを壁に立てかけ、マットの敷かれた場所で二人でストレッチをはじめる

そこではじめて海堂がおかしいことに気づいた

私が海堂の背を押している間はなんにもなかったが、

海堂が私の背を中々押してくれない

「海堂?」

後ろを振り返り声をかけると、渋々背を押してくれたが………


「何か弱くね?」

そう。軽く押してはくれたがいつもより遥かに弱い力

海堂「そ、そうか?」

海堂は力加減を測るように強めていったが

いつもなら何にも気にせずに行っていたこと

私は疑問に思うと共に、とても嫌な予感がした

予感のヒット率は五分五分であんまり信憑性なんてないけど

一度気になると私をどんどん蝕んでいく不安感

ねえ、あなたは何を知ってしまったの?

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