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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第9章 居なくなって初めて気づいた


俺は適当に椅子を出すと不二に勧めた

自分ももう一つ椅子を出し、それに座ると不二の顔が真剣な物になる

不二「僕が口を出すつもりは無かったんだけど、もう隠し通すのは難しいと思ってね」

俺は黙って不二の言葉に耳を傾けた

不二「彼女のことを青学のみんなに伝えるべきだと思う」

不二のその言葉で全てを理解した

彼は気づいていたのだ

それも最近の話では無さそうだ

「何故気づいた?」

不二「最初は男子トイレに入る事を渋っていたのを不審に思ったんだ。

その時は教員用のトイレを勧めたんだけど。

その後観察していたんだけど、仕草や言葉遣いに女の子らしさが見え隠れしていた。

確信を持ったのは、合宿前の切原との会話。」

不二は一息に話しをするとこちらを伺っている

彼の目に嘘は通じない

「だが、隠し通すつもりだった。それが何故?」

そう問えば何とも説明し辛そうな顔をしている

不二「これは憶測なんだけど、合宿に来てから精神が不安定になっている気がするんだ。

今彼女は青学の仲間に不信感を抱いてる。

このままにしておけば、仲間なのに信用出来なくなる。

そうなった時、もう二度とテニスが出来なくなる。と、僕は推測しているよ」

違うチームの不二から見ても明らからしい

「原因は立海の人間との接触…と言ったところか」

そう呟くと彼は静かに頷いた

不二「理由があって、青学に来たんだろう?実家にいなかったと切原が言っていたし」

不二は数日前の記憶を思い出しながら言葉を紡いでいる

こうなるのは時間の問題だったのかもしれない

そう思うと、不二の提案に乗るべきだと判断出来る

「ちゃんとした説明はみんながいるときにしよう。

不二は桃城の部屋に戻ってみんなに集合をかけて欲しい。

明日、午前9:00にD施設の談話室へ来るように」

不二「うちの施設?」

「ああ、D班には談話室を使いそうなやつがいないからな」

そう言うと、不二は納得したように桃城の部屋へと向かった

――乾side END――
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