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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第9章 居なくなって初めて気づいた


耳に当てていた携帯から何も聞こえなくなり

私の腕は力を失ってだらりと落ちた

手に握られていた携帯は床に落ちてかしゃんと鳴った

真田「何かわかったのか?」

焦りながら私に問うが、私の頭は絶賛フル回転中だ

整理がつかないが一つ一つ言葉を吐き出した

「海堂からこちらに話しかける素振りがありませんでした。

誰かと会話していましたが殆ど聞こえず、最後に相手の怒声が聞こえたかと思うと切れました」

大事な情報がないか思い出しながら言葉にしたが何一つ情報なんて無かった

いや、あった。ひとつだけ

「ここはどこだ?俺らをどうするつもりだ」

私がぽつりと呟くと皆が驚いている

日吉「誘拐…ですね」

日吉の声が響くと真田先輩は携帯を持ち上げ私に指示を出した

真田「吉野!今の事を宍戸と大石へ連絡しろ!俺は監督と跡部へ。」

私は落とした携帯を拾い、頷いた

真田「それと、忍足・赤也・吉野は他の班同様捜索へ行け!日吉は俺と来い!絶対にはぐれるな!」

真田先輩の指示で私達は動き出した

私はまず、大石先輩へ電話をかけながら二人と合宿所の裏手の森へ向かった

この島は半分合宿施設、半分は森なのだ

拉致して身を隠すなら森だろう

大石「吉野。何かわかったか?」

繋がった電話越しに誘拐であることを伝え、団体行動をしろと指摘してから切る

宍戸さんにも同じ内容を説明してから切ると森で隠れられそうな場所を探した

忍足「他に手掛かりはないんか」

見つからないことに焦りを感じる

私はあの電話にヒントがないかひたすら頭を回転させる

捜索を始めてからもう30分は経とうとしている

下手をすると危ない
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