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テニスの王子様*あなたに憧れて*

第8章 過去との決別


食事を終えた私達は、一度部屋に戻ることにした

切原「俺さ昨日あんなこと言ったけど、実は結構楽しみにしてんだぜ」

階段を上りながら赤也がそんなことをいう

何のことだろう?

私が小首を傾げているとそのまま言葉は続いた

切原「ダブルスだよ!お前と組む!」

そう言われ昨日の晩の事を思い出す

「めちゃめちゃ嫌そうだったけど?」

そう言うと赤也が真面目な顔になっていることに気づいた

切原「勢いで言ったけどさ、意思疎通?っつーの?出来てるってことじゃん!」

赤也が珍しく難しい言葉を使ったので今日は槍が降るかもしれない

そう思い、窓の外を眺める

雲一つない快晴だ

切原「槍なら降らねえからな!!」

赤也のその発言にとても驚いた

何も、考えと行動を読み取れるのは私からだけではないらしい

赤也もまた、私の考えていること、行動を正確に読み取っているのだろう

幼馴染みとは便利だなと赤也のワカメ頭を見ながら思った


2階に到着したのでお互いに部屋に戻り、練習の準備を始めた

海堂は俺にどんなダブルスを求めるだろうか

はた、と思い準備の手が止まってしまった

一度きりとは言え曖昧な試合なんて絶対にしない

真逆のプレイスタイルの私と上手くいくのかな

“あんたみたいな調子乗ったやつとペアなんてごめんだわー。組むくらいなら棄権するっつの”

唐突に藤江先輩の言葉が頭の中でリフレインを始める

そう言えばそんなこと言われたっけ

やだなぁ、当時は全く気にしなかったのに

藤江先輩の声が段々、日吉、赤也、忍足…と変わりながらループを始める

幻聴、というか錯覚だ

言われてない、言われてない

その声が海堂のものへ変わると一際心臓が大きく鳴った気がした

バクバク響く心臓の音に頭が痛くなる

海堂は言わない、そんなこと
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